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DXへの取り組み

当社は、精密プレス加工を中核とし、電子機器、車載製品、EV関連部品の一貫生産体制を構築することで、大手企業と直接取引が可能な高い技術力を強みとしてまいりました。これまで、金型設計・加工における専門技術者の育成、高性能な生産設備への投資、そして顧客の品質・納期要求に的確に応える顧客本位の組織マネジメントを通じて、お客様の期待に応えながら、長年にわたり堅実な経営を続けてきました。

一方で、IT技術やAIの急速な進化により生産プロセスの高速化が進み、モノづくりを取り巻く競争環境は、グローバル規模で一層厳しさを増しています。 こうした環境変化を踏まえ、当社はDXおよびAIを最大限に活用し、顧客情報や生産データの分析・活用、全社的な情報共有およびコミュニケーションの高度化を推進することで、業務効率化を徹底的に追求していきます。さらに、独自の品質管理基準の確立、サプライチェーンの再構築、オペレーションにおける人員配置や管理体制の最適化を通じて、生産性と技術力の飛躍的な向上を目指します。

これらの取り組みにより、日本のモノづくりに対する顧客からの信頼を一層高めるとともに、社員一人ひとりが挑戦と成長を実感できる企業の実現を目指してまいります。

2026年2月6日 代表取締役会長 田村 正則


経営ビジョンとDX の方向性

1.当社の経営理念とDX の位置づけ

当社は1961 年の創業以来、社是である「我々会社の目的は社会の要請に応じ優秀な製品を最も廉価で生産・供給する事によってお互の福利を増進するにある」を経営理念として、プレス部品、プラスチック部品、組立ユニットを中心に、電機製品および自動車製品向けの部品・ユニットを生産してまいりました。

この理念に基づき、当社は金型技術を核とした強みをさらに進化させ、品質・コスト・納期(QCD)・サービスを総合的に高め、更に人材育成・社会貢献活動も推進し、より幅広い分野の多くの顧客から選ばれ続ける企業へと成長していきます。当社はデジタル技術が進化する新しい社会で、技術やスピードが更に進化した製品・サービスを提供していくためには、DX の推進が不可欠であると考えております。従って、当社はDXを経営層が重要な経営戦略の一つと考え主体的に推進し、経営戦略とDX 戦略を一体として進めることで、全社的な変革を継続的に実行していきます。

2.取り組みの背景

近年、部品業を営む当社を取り巻く外部環境は大きく変化しており、主に6 つの大きな外的要因が挙げられます。

①海外部品メーカーの技術力向上と低価格化による競争激化
②円安の影響による原材料費・物流費の上昇
③労働力不足と高齢化
④カーボンニュートラル社会への急速な移行
⑤日本メーカーの中国依存度の見直し
⑥AI・IoT・クラウドなどデジタル技術の急速な進化

一方、当社の強みは、
①堅実経営による安定した財務基盤
②プレス・プラスチック金型技術などの固有技術
③金属部品とプラスチック部品及びユニットを一貫生産する量産技術
④国内の自動車部品メーカー、電気機器メーカー等、多くの優良企業と長期的に取引
⑤長年の取引規模による金型の安定した受注と効率的な生産

このように、社会や競争の変化により、当社は強みを生かしながら、DX を推進することで、地方企業でありながら、グローバルかつ幅広い分野の部品ニーズに対して新規顧客を獲得する可能性があります。更に長年取引のある既存顧客に対しても付加価値の高い製品を提供していき、より一層信頼を高めていけると考えております。

3.取り組み方針

当社は、DX を「効率化のためのツール導入」ではなく、「データを基盤とした経営・業務の再設計」 と捉え、以下の方針で推進します。

(1)データ活用基盤の構築

まず、営業・金型設計・品質・量産・サプライチェーンなど、全社の業務プロセスをデジタル化し、データを正確かつ迅速に活用できる基盤を整備します。
これにより、製販一体の情報共有、設計や量産準備の効率化、トレーサビリティの確立、サプライチェーンの最適化などを実現します。また、従来の経験による業務判断をデータに基づく判断に全社的に切り替え、業務の標準化と再現性の高い改善活動を可能にします。

(2)AI を活用したPDCA サイクルの高度化

デジタル化によって蓄積されたデータをAI も活用しながら分析し、生産計画、設備稼働監視、予知保全、品質改善、見積判断などのPDCA サイクルを高度化します。これにより、ムリ・ムダ・ムラの削減、品質の安定化、原価管理の精度向上、利益率改善を図ります。

(3)意思決定へのデータの積極的活用

受注、売上、加工高、利益などの実績のモニタリングを推進し、データに基づく意思
決定を実現すると共に、業務の標準化と再現性の高い改善活動を可能にします。

(4)DX 推進のための人材育成及びリスキリング

DX 推進のために、BPR(業務改善)、AI、BI、サイバーセキュリティなどの人材育成やリスキリングを継続的に行い、DX を支える人材基盤を強化します。

これらにより、生産現場のムリ・ムダ・ムラを大きく削減し、問題解決のための情報共有や活用が飛躍的に向上し、生産性向上と顧客ニーズへのきめ細かな対応の両立が実現していきます。更にこれらの活動を基本に、顧客・仕入先・従業員・地域社会・株主といったステークホルダーへの価値提供を様々な形で推進し、持続可能な企業経営を実現していきます。


4.DX によって実現する姿

当社は、DX を経営戦略の重要な柱の一つと位置づけ、経営層が主体となって、デジタイゼーションと業務改革を推進すると共に、AI も有効に活用し、継続的に改善できる体制を整え、経営を変革していきます。具体的には、営業情報の活用、技術力、QCD、サービス力、財務力を総合的に高め、顧客から選ばれる企業へ進化します。

また、DX によって単純作業を削減し、社員が創造的な業務に集中できる環境を整えることで、挑戦を促す組織文化と学習する企業風土を育み、社員一人ひとりが自己実現を図り、継続的に変革できる企業体質を構築します。そして、その最終ゴールとして、社員とその家族の幸福を実現する企業を目指します。

その結果、これらの取り組みが、当社の経営理念である「我々会社の目的は社会の要請に応じ優秀な製品を最も廉価で生産・供給する事によってお互の福利を増進するにある」を、デジタル時代にふさわしい形で実現していきます。

経営ビジョンとDX の方向性

1.DX 戦略の全体像

具体的なDX の進め方は、紙ベースのデータや写真などのアナログ情報のうち、必要な情報だけを整理整頓し、デジタル化(デジタイゼーション)を実施します。また、それぞれの業務プロセスにおいて、デジタル化された情報をどのように活用するかを検討します。デジタイゼーションは、業務プロセスの効率化やヒューマンエラーの減少、データ共有などに役立ち、業務の無駄を省き、生産性を向上させることが可能となります。そこで、営業・金型設計・品質・量産・サプライチェーンなど、全社の業務プロセスをデジタル化し、製販一体の情報共有、設計や量産準備の効率化、トレーサビリティの確立、サプライチェーンの最適化などを実現します。さらにIoT を活用して、生産プロセスのトレーサビリティ確保とモニタリングを実施し、現場の状態を可視化し、AIも活用しながら、生産計画や設備保全(予防保全を含む)のPDCA サイクルを高度化し、最適化を図ります。当社は、これらのDX 施策を経営戦略と一体で推進し、経営層が主体的にコミットすることで、全社的な変革を継続的に実行できる体制を整えます。

(1)データ活用の流れ

当社のDX 戦略では、デジタル化されたデータを単に蓄積するのではなく、価値創造の連鎖を生み出す“流れ”として活用することを重視しています。生産工程で蓄積された各種データを分析することで技術力および品質の向上につなげ、そのデータはさらに生産計画の精度向上による納期遵守、見積支援、原価計算や管理会計によるコスト最適化と財務体質の強化、そしてトレーサビリティ確保によるサービス向上へとつながります。これにより、データに基づく意思決定を全社で実現し、業務の標準化と再現性の高い改善活動を可能にします。

(2)AI 活用:データの流れを“高速化”するエンジン

AI は、データの流れを加速し、PDCA サイクルを高度化するためのエンジンとして活用します。具体的には、生産計画の最適化、設備の予知保全、不良原因の分析、見積精度の向上、人事データ分析など、データに基づく意思決定を迅速化する領域で活用を進めていきます。また、AI を活用できる人材の育成やリスキリングを継続的に行い、DXを支える人材基盤を強化します。

(3)DX 方針の実現

これらの取り組みにより、現場のムリ・ムダ・ムラを大幅に削減し、高品質な製品を安定的に供給することで競争力を高め、 ①デジタルを活用した営業・見積・受注活動の高度化、②現場作業の省人化・自動化(ロボット化等)、③データ活用による生産効率化と品質の作り込みを行い、当社の課題である新規顧客を獲得するとともに、既存顧客に対しての技術力と信頼性を一層高め、売上・利益の拡大と会社の持続的発展を目指します。

またDX・AI の活用により、社員の働き方も大きく変化すると見込んでいます。従来のような単純作業の反復や属人的な業務を減らし、社員一人ひとりが強みを生かして付加価値の高い業務に取り組める環境を整備します。創造的な価値創出と自己実現を支える企業風土を醸成し、社員とその家族の幸せに資する会社を目指し、当社の経営理念を実現していきます。

■DX の5 ヶ年計画

2026 年5 月初旬~ 2026 年7 月下旬 DX 経営改革委員会発足、全社にDX 推進をアナウンス
2026 年8 月初旬~2026 年10 月下旬 Phase1 アナログデータの整理整頓とデジタイゼーション推進
2026 年11 月初旬~2027 年3 月末 デジタイゼーション推進と課題明確化
2027 年4 月初旬~2028 年3 月末 Phase2(前期)優先課題1実施
2028 年4 月初旬~ 2028 年9 月末 Phase2(中期)優先課題2 実施
2028 年10 月初旬~2029 年3 月末 Phase2(後期)優先課題3 及び残課題実施
2029 年4 月初旬~ 2030 年9 月末 基幹システム再構築
2030 年4 月初旬~ 2031 年3 月末 残課題解決、DX 総合レビュー

推進体制と人材育成

■DX 戦略推進体制(組織とガバナンス)

経営者自らが議長を務める「DX 経営改革委員会」を設置し、迅速な意思決定とリソース配分を行う体制を構築しています。また、外部パートナーである「長野県IT コーディネータ協議会」のアドバイスを戦略に反映させることで、客観性と専門性を備えた推進体制を維持します。

■分科会による実行と改善

個別の経営課題に基づいた「分科会」を組織し、業務部門とIT 部門が連携して要件定義からデジタルツールの選定・導入、業務プロセスの再設計と推進を行います。

■DX 人材の育成

DX を通じて、挑戦を促す組織文化と学習する企業風土を育み、社員が成長し続けられる環境を整備します。

  • データサイエンティストやサイバーセキュリティの高度デジタル人材を養成する。 (人材開発支援助成金活用)
  • DX ツールのハンズオン教育を実施する。(生成AI、RPA、BI 等)を計画的に実施(教育参加者 半期毎10 名)
  • 生成AI・RPA・BI の各領域で毎年1 名ずつエバンジェリストを育成する。
  • 情報セキュリティ教育の実施(情報管理者毎年1 名、全社員対象教育も実施)
  • ノーコードツールで業務改善ツールを構築・導入できる人材を育成する。(EDP 担当毎年1~2 名)
  • 全社員にDX のリスキリングやリカレント教育の仕組みを提供する。
  • DX に関する知識やスキルの人事考課へ反映する。

■情報セキュリティ・リスク管理

DX の進展に伴うサイバーセキュリティリスクを経営上の重大リスクと認識し、情報システム部門を中心に全社的なセキュリティポリシーを整備しています。経営層が参加する「DX 経営改革委員会」において定期的な監査結果を報告・評価し、最新の脅威に応じた改善を継続的に実施することで、安全なデジタル変革を支える体制を構築します。

IT システム環境整備

当社は、DX 戦略の実現に向け、業務プロセスのデジタル化、データ活用および自動化を支えるIT 基盤を段階的かつ計画的に整備してまいります。特に、生産管理を中核とする新たな基幹システムを5 年以内に再構築し、経営基盤の高度化を図ります。また、今後5 年間にわたりDX テーマに基づく戦略的な予算を確保するとともに、毎年、労務費総額の5%程度をDX 投資(IT 投資を含む)に充当し、継続的かつ安定的な投資を実行してまいります。具体的には、以下のシステム構築を推進してまいります。

① 営業情報のデジタル化と共有
  • CRM/SFA ツール
  • MA(マーケティングオートメーション)
  • 見積作成ツール
  • 情報共有/文書管理
  • BI ツール
② 金型設計・開発技術のデジタル化
  • CAE 解析ツール
  • FMEA 管理ツール
  • PLM(設計情報管理)
  • ナレッジ管理
③ 安全・品質基盤のデジタル化
  • 点検・保全管理
  • 品質管理(QMS)
  • トレーサビリティ管理
  • リスクアセスメント管理
④ 量産準備プロセスの見える化とPDCA
  • チャットツール
  • 進捗管理/プロジェクト管理
  • ワークフロー管理
  • ダッシュボードによる可視化
⑤ サプライチェーンのデジタル統合とEDI 標準化
  • EDI プラットフォーム
  • データ連携基盤
⑥ 社員のキャリアアップ支援とデジタル人材育成
  • 人事・タレントマネジメント
  • e ラーニング/研修管理(LMS)
  • スキル管理/キャリア管理
  • セキュリティ/データサイエンス研修
⑦ 業務コミュニケーション手段の変革
  • チャットツール
  • 電話削減(クラウドPBX)
  • AI チャットボット
  • FAQ 管理

KPI(主要目標)

① 経営・事業成果指標(経営の視点)

DX 投資の成果として、当社の「収益性向上」および「競争優位性の確立」がどの程度実現できているかを測定します。

内容

デジタル技術を活用した高付加価値提案の拡大により、収益構造の高度化と顧客価値の向上を図ります。

主なDX 推進KPI
  • 売上高総利益率(粗利率)
  • 高付加価値製品の受注率
  • 新規顧客引合数
  • 受注獲得率
目標

2030 年までに高付加価値製品の受注比率を20%以上に高める。あわせて、顧客別またはセグメント別の粗利益管理を実現し、持続的に収益を創出できる事業基盤を確立する。

② プロセス・品質改善指標(管理・現場の視点)

営業・製造現場におけるデジタル化の進展が、業務効率、品質、納期遵守等のオペレーション改善にどのように寄与しているかを測定します。

内容

営業・製造プロセスの標準化および可視化を進め、生産性向上と顧客信頼性の強化を図る。

主なDX 推進KPI
  • 見積作成リードタイム
  • 段取り時間短縮率
  • 顧客からのエビデンス要求に対する回答時間
目標

次世代基幹システム稼働後5 年以内に、製造リードタイムを20%短縮する。さらに、品質調査・履歴確認に要する時間を80%削減する。

③ デジタル基盤指標

DX を継続的に推進するためのデジタル基盤の整備状況を測定する。

内容

業務データのデジタル化の実施率および活用状況をチェックする。

主なDX 推進KPI
  • 紙帳票の電子化率
  • 電子化データの有効性評価
  • デジタル化データの活用度(3 段階評価によるレーティング)
目標

2030 年度までに、主要業務におけるデジタル入力率100%を達成する。

④ DX 推進のための人材育成の進捗(人材開発支援助成金の活用を含む)

DX 推進に必要な人材育成の進捗を、育成人数・受講者数・資格取得数等の指標で定量的に測定する。

内容

DX 推進人材の育成状況(育成人数、研修受講、資格取得、業務改善効果等)を継続的に把握し、組織全体の実行力を高める。

主なDX 推進KPI
  • エバンジェリスト(生成AI/RPA/BI/サイバーセキュリティ)の育成人数
  • DX 研修受講人数
  • IT 系専門資格の新規取得数
  • RPA による業務削減時間
  • 各業務領域におけるDX 推進担当者の増員数
目標

2030 年度まで、毎年、情報システム部門ではエバンジェリストを1 名育成する。あわせて各課においてDX 推進者を1 名以上、継続的に育成する。

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